岡泰誠が提供するバイクフィッティングとは。

バイクの調整だけでは解決しないフォーム・ペダリングの悩み

上の写真を見てください。図としてわかりやすくするために、モデルの方には少し大げさにやってもらっていますが…同じバイクポジションでもここまで乗り方は変わるんです。

あくまでも、どちらが正解と言うつもりではありませんが、右の骨盤が立ったフォームに比べると、骨盤を寝かせた左の写真では、脚の上がるスペースが少なくなっています。

左図のフォームで乗っている方には、「ペダルに体重は乗るけど脚がうまく回らない…」ということで重いギヤばかり踏んでしまったり、上体が大きく揺れることで腰痛が出たり、ハンドルに体重が乗りすぎて手が痛い、前輪を滑らせて転倒しやすい、、、などといった問題がよく見られます。

右図のフォームの方が前輪と後輪の荷重バランスは良く、脚の上がるスペースも十分にあるので、左図に比べて快適かつ安全に走るのには良いでしょう。

しかし、右図のフォームにもデメリットはあります。

いかに空気抵抗を減らすか?

お気づきの方もいるかもしれませんが、右の骨盤が立ったフォーム(上の写真)はどうしても上体が高くなってしまいます。比較的スピードが出ないヒルクライム大会やブルべ、ツーリングでは良いかもしれませんが、私自身も骨盤を立てるフォームに改造したときに平地のスピードが出ないことで大いに悩みました。

宇都宮ブリッツェンからNIPPOに移籍が決まった、3歳下の弟(岡篤志選手)は本物のネコのように背骨が柔らかいのですが、彼のような柔軟性があれば脚の上がるスペースを確保したまま空気抵抗を減らせるのに…そう思いながら、試行錯誤してきました。

(実際に、平地が速い海外のトップ選手の多くが、骨盤を立てて背骨を大きく曲げています。Ex:ウィギンス、フルーム、コンタドール、トニー・マルティン、カヴェンディッシュ等々)

たった10分のエクササイズで激変!?

この悩みを解決すべく、背骨の可動域アップの方法を色々試しましたが、もともと背骨がほとんど動かないほど硬かった私にも効果がある方法は、簡単には見つかりませんでした。研究論文を漁り、各地の治療院やトレーナーのところをまわりついに、その日のうちにはっきりと効果を感じられる方法に出会いました。

(左:ビフォー、右:アフター)

反る方にも丸める方にも背骨が柔らかくなります。

個人差はありますが、この方法によって、適正ステム長が2㎝くらい長くなるケースも珍しくはありません。

↑こんな機材を使って10分程度のエクササイズを行うだけです。身体が硬い50代の方でもこれだけ変わります。

写真の方の場合、骨盤を寝かせたフォームより、もっと空気抵抗の少ないフォームを取ることが可能になりました。

もちろんこれは、可動域を上げることで可能になったフォームの、ほんの一例にすぎません。

“身体を変えるバイクフィッティング”に必要なこと

より速く、快適にバイクに乗るためには、言うまでもなく適切なバイクポジションで乗ることが必要です。どんなに身体能力が高い人であっても明らかにサイズが合わないバイクで走り続けていればスピードが出ないだけでなく、そのうち腰や膝などを怪我してしまうことでしょう。

しかし、バイクポジションが適切であっても痛みや怪我は発生します。自転車は基本的に左右対称にできていますから、乗り手の身体に左右差があった場合は互換性がなくなって、身体のどこかに負担を生じるのです。

順番が前後することはありますが、本当の意味での「人車一体」を実現するためには以下の項目が必要になります。

①適切なバイクポジションに設定する。

②股関節、背骨、肩関節など、十分な関節可動域を確保する。

③歪み(ex:膝が内側に入ってまっすぐ踏めない、骨盤が右から左に捻じれる…etc)を補正するためのストレッチ、トレーニングの実施。トレーニングについては、スクワットのように床の上で行うものと、自転車に乗りながら行うものがあります。

競技歴が長くなるほどに、元々の乗り方に合わせて発達した筋肉があります。その人の骨格に対する「理想とするフォーム」という概念は一応ありますが、現状の身体に合わせた妥協点を探ることも、バイクフィッティングにおいて大切な要素だと考えています。例えば、クリート位置が左右で全然違う方もいらっしゃいますが、それをいきなり左右対称に付け替えたからと言って気持ちよく乗れるとは限りません。それぞれのレーススケジュールやライフスタイルに合わせて、無理のないペース・方法で改善していく方法をご提案いたします。

現状で来られているお客様は、ポジション等について自分なりにかなり試行錯誤してうまくいかなかったという方が多いのですが、実は初心者の方ほど、フォームやペダリングの改善がスムーズにできるのでおススメです。

私自身が誰よりも遠回りをして来ているので、これをもっと早くに知っていれば…と思う知識がたくさんあります。

2018年ニセコクラシック140km ゴールシーン。photo:Satoru Kato

2012年、大学2年生の夏に自転車レースから離れてから、6年ものブランクを経てレースを再開した2018年ですが…レースに出られなかった年月の間に積み重ねてきた、ポジション・フォーム・ペダリング・セルフコンディショニング・トレーニング方法についての研究は決して無駄ではなかったと証明できて本当に嬉しく思います。

2018年ニセコクラシック優勝という結果に関しても、もちろんポジションや身体の使い方の改善、柔軟性の向上だけで勝ち取ったわけではありません。きつい練習もたくさんしてきました。しかし、そのどれが欠けていたとしても、今回の結果はなかったと思っています。強度の高いトレーニングを重ねても身体を壊さないために、全てが必要だったからです。

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Bike Fitting

そして今も、2020年にカナダのバンクーバーで行われるアマチュアの世界選手権に向けて、されに効果的な乗り方・トレーニング方法を模索して、研究を続けています。バイクフィッティングの売上は、ほとんど研究開発費として使わせていただいております。ですので、私がしっかりした店舗を構えたり、オシャレな服を着るようになる日はまだまだ遠いと思われます(笑)

時にはご予約を取りづらく、ご不便をおかけしてしまうこともありますが、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

より速く、より楽に走るために。

岡 泰誠


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